暮六つに甘い香り。
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◇梔子/口無し
「この者たちの言葉を信じてはならない。彼らは口を持たないも同然だ」という意味を込め「口無し」と呼ばれている者たちが居る。
彼らは謂わば妖怪のようなものだが、彼らは現世へ来ると梔子の香りを纏うようになる。
暮六つに梔子の香りがしたならば、それは彼らが来る合図。
香りが失せる場所まで逃げるべし。
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現世で人間とともに暮らしている白髪の鬼「梔子」と冥府で自由気ままに暮らしている黒髪の鬼「椿」は、気質から正反対ながら切っても切れない縁がある。
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